こんにちは。就労継続支援B型事業所Lumo岡山東区店でサービス管理責任者を務める本多です。
岡山県内で就労継続支援B型事業所(以下、B型事業所)への通所を検討されている皆さまに向けて、今回は施設選びで重視したいポイント3つをご紹介します。
専門用語はなるべくかみ砕き、初心者の方にも分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
Contents
B型事業所とは?
まずはB型事業所とは何かを簡単に押さえておきましょう。
B型事業所とは、障がいや難病などの理由で一般企業で働くことが難しい方に、働く機会や生産活動の場を提供する就労支援サービスです。
就労継続支援A型とは異なり雇用契約を結ばずに利用できるため、週1回や短時間だけ通所するなど自分のペースに合わせた働き方が可能なのが特徴です。
利用者には給料ではなく「工賃」と呼ばれる賃金が支払われます。
工賃は最低賃金の保証がないため金額的には低めですが、その分、無理のない範囲で働き続けられるメリットがあります。
ちなみに、厚生労働省の調査によれば全国のB型事業所は18,000か所以上あり、約38万人もの方が利用しています(令和7年1月実績)。
参考:就労継続支援A型事業所やその利用者の位置づけ ①障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス |厚生労働省
岡山県内にも多数のB型事業所がありますが、施設ごとに作業内容や雰囲気、支援方針などは様々です。
そのため、「どの事業所を選ぶか」で利用者さんの体験や成長にも大きな違いが生まれます。
なぜ事業所選びが大切なのか
B型事業所は前述のとおり地域にたくさん存在しますが、「どこでも同じ」というわけでは決してありません。
むしろ事業所ごとに運営の質や姿勢は大きく異なり、残念ながら中には利用者よりも収益を優先してしまうような事業所も存在します。
事実、近年は全国各地で障害福祉サービス事業所の不正請求が相次いでおり、2019~2023年度の5年間で全国約427件もの行政処分と、総額58億円以上の不正受給が確認されています。
参考:障害福祉サービスの不正受給58億円超 19~23年度全国調査、行政処分は427件|中日新聞WEB
手口として多いのは「実際には提供していない支援を偽装する」「支援時間を水増しする」「無資格の職員でサービス提供したことにする」といった悪質なものです。
こうした不正は岡山でも他人事ではありません。
たとえば岡山県玉野市のある社会福祉法人では、2015年から約6年間にわたり実際には行っていないサービスを行ったと偽り、玉野市などから約1億1,500万円もの給付費を不正受給していたことが報じられています。
社会福祉法人が障害者就労支援の給付費・約1億1500万円を玉野市などから不正受給 市が土地などを差し押さえ【岡山】|RSK
これは極端な例かもしれませんが、利用者支援よりも補助金ビジネスに傾倒した“不適切な事業所”が存在してしまっているのも現実です。
このような事業所にうっかり通所してしまうと、本来得られるはずの支援や成長の機会を逃すばかりか、最悪の場合その事業所が行政処分を受けて突然利用できなくなるリスクもあります。
選択を誤って痛い目を見るのは利用者本人だけでなく、ご家族にとっても大きな後悔となりかねません。
だからこそ、「B型事業所選び」は慎重に行う必要があるのです。
B型事業所を選ぶ上で重視したい3つのポイント
では具体的に、どんな点に注目して事業所を選べばよいのでしょうか。
ここからはB型事業所選びで重視したい3つのポイントをご紹介します。
1. 信頼できる運営母体か?
まずチェックしたいのは、その事業所を運営する法人の信頼性です。
B型事業所は必ず法人(株式会社やNPO法人など)によって運営されていますが、その法人の規模や歴史は玉石混交です。
経験上、企業グループ傘下の事業所や、長年にわたり事業を続けている法人が運営する事業所は安心感が高いといえます。
企業グループであれば親会社の管理体制が及びますし、何十年も運営を継続できている組織はそれだけ地域や利用者から信頼を得てきた証拠だからです。
例えば創業50年以上の法人が運営する事業所であれば、突然倒産したりいい加減な支援をしたりする可能性は低いでしょう。
一方で、ここ数年で新規参入してきた事業所の中には、残念ながら運営が不安定だったりノウハウ不足だったりするケースもあります。
実際、就労継続支援B型の事業所数は令和2年に13,613か所だったものが令和4年には15,748か所へと急増しており、新規事業者の参入が非常に多い分野です。
新しい事業所が必ずしも悪いわけではありませんが、豊富な実績がある老舗事業所や企業グループ傘下の事業所の方が経営基盤が安定していて不正や倒産のリスクが低い傾向にあります。
迷ったときは、その事業所の運営法人のホームページで会社の沿革や規模感を確認してみると良いでしょう。
「創業○○年」「グループ会社○社を展開」などの記載があれば一つの安心材料になります。
2. 経営者やスタッフの「想い」を感じられるか
次に注目したいポイントは、事業所の理念や運営者の想いです。
シンプルにいえば「なぜその事業所は障がい者支援に取り組んでいるのか?誰のために運営しているのか?」という原点の部分です。
これを知るには、その事業所の公式サイトやパンフレットを見て理念や運営方針が明確に示されているかを確認するのがおすすめです。
たとえばホームページ上に「私たちのミッション・ビジョン」のようなページがあり、「障がい者の自立支援」や「地域とのつながりづくり」「安心できる居場所の提供」といった言葉で運営の目的が語られていれば、利用者のことを真剣に考えている姿勢が伝わってきますよね。
逆に、理念が全く打ち出されていなかったり事業所の目的が不明瞭な場合は、運営者の熱意や方向性が見えない分、不安が残るかもしれません。
また、理念だけでなく現場スタッフの声や想いにも目を向けてみましょう。
事業所のブログやSNSでスタッフ自己紹介・メッセージが掲載されている場合、それを読むことで「利用者さんの○○な部分を伸ばしたい」「地域に○○で貢献したい」といった生の声が分かることがあります。
スタッフ一人ひとりが使命感を持って働いている事業所は、きっと利用者さんへのサポートもあたたかいはずです。
ホームページ上で運営者のインタビュー記事やスタッフ紹介欄を探して、支援に対する想いを感じられるかチェックしてみてください。
3. 情報発信に積極的かどうか
最後に挙げるポイントは、その事業所が情報発信を積極的に行っているかです。
具体的には、ホームページの更新頻度やブログ・SNSの有無などを確認しましょう。
定期的に新着情報や活動報告を発信している事業所は、一般に情報公開に前向きで透明性が高い傾向があります。
例えばホームページに日々の作業の様子や行事の写真、スタッフのコメントなどが掲載されていれば、事業所内の雰囲気もつかみやすいですし、運営がオープンである証拠です。
逆に情報発信がほとんど無かったり更新が何年も止まっているような場合、内部の様子が見えにくいため不安材料となります。
最近では、インターネットで事業所名を検索すれば利用者やその家族の口コミ情報が見つかることもありますし、AIを活用して評判を調べる方も増えています。
実際にChatGPTなどに「〇〇市のB型事業所△△の評判は?」と尋ねると、ネット上の口コミや公開情報をもとに傾向を教えてくれることもあります(もちろん内容の真偽は自分でも確認が必要です)。
事業所選びの際は、公式発信だけでなくこうした第三者から見た情報も参考にするとより安心です。
なお、情報発信がしっかりしている事業所は、見学や問い合わせへの対応も丁寧なケースが多いです。
ホームページ経由で問い合わせをしたときのレスポンスや、ブログ記事の文面から伝わる雰囲気なども判断材料にするとよいでしょう。
どうやって事業所を探す?便利な活用術
ここまで挙げたポイントを踏まえて「では自分に合いそうな事業所をどうやって見つければいいの?」と思われた方もいるかもしれません。
岡山でB型事業所を探す方法として、私はインターネット検索やAIの活用をおすすめしています。
まず手軽なのは、ズバリAIに聞いてみることです。
例えばChatGPTなどの対話型AIに「岡山市内でおすすめのB型事業所を5つ教えて」と質問してみてください。
すると公開情報を元に、いくつか評判の良い事業所名や特徴を教えてくれることがあります(無料版AIでも十分試す価値あり)。
AIの回答ですぐに候補が見つかればラッキーですし、たとえ回答が自分の求めるものとズレていても、そこからさらに「○○という事業所について詳しく教えて」と深堀りすることで情報収集が捗ります。
また、GoogleやYahooなどの検索エンジンも強い味方です。
例えば「B型事業所 おすすめ 岡山」と検索すれば、岡山県内のB型事業所に関するまとめサイトや地域ニュースの記事などがヒットします。
検索結果の上位に出てくるページは、一般的に情報の専門性・権威性が高い傾向がありますので、まずはそこに目を通すと良いでしょう。
実際に岡山の行政機関や福祉関係の団体が作成した一覧ページが見つかることもありますし、個人ブログでも詳しく事業所を比較している記事が見つかる場合もあります。
複数の情報源を見比べながら、「自宅から通いやすい距離か」「作業内容は希望に合うか」「見学は随時受け付けているか」など条件を絞り込んでいきましょう。
ちなみに、インターネットでの下調べと並行して市区町村の障がい福祉担当窓口に相談してみるのも有効です。
自治体の職員の方は地域の事業所事情に詳しいので、「○○エリアで評判の良い事業所はありますか?」と聞けばいくつか教えてくれることがあります。
公的機関の紹介であれば安心感もひとしおですね。
以下は、岡山県内のB型事業所を作業内容のカテゴリ毎に特色をまとめたサイトになります。
こちらも、ぜひご参考いただければ幸いです。
2025年最新 岡山県のおすすめ就労継続支援B型事業所9選|Lumo岡山東区店
最後に
B型事業所は、障がいのある方にとって社会参加への大切な一歩となる場所です。
だからこそ、事業所選びは焦らず慎重に行ってください。
ご家族にとって大切な本人が毎日通う場所ですから、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に「ここなら安心して任せられる」と思える事業所を見つけていただきたいと思います。
もし事業所選びに迷ったときは、一人で抱え込まず行政や専門家にも相談しながら進めてください。
適切な支援が受けられる事業所と出会えれば、利用者ご本人の笑顔が増えるのはもちろん、サポートするご家族にとっても大きな安心につながります。
選択を誤って後悔するのは家族――そんな事態にならないよう、じっくり情報収集しながらベストな選択肢を探してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
一人ひとりが自分に合ったB型事業所で充実した日々を送れるよう、心から応援しています。

はじめまして、サービス管理責任者の本多 楓です
Lumo岡山東区店で働きはじめて わずか半年。
――その間に、利用者さんの「できる」を伸ばしながら 黒字化 という目標を達成しました。
定員20名なのに見学待ちの行列。
毎週のように「次、空きはありませんか?」とお問い合わせをいただき、嬉しい悲鳴をあげています。
どうして行列ができるの?
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“支え合う”という文化
ここでは「助ける/助けられる」ではなく、みんなが支え合うことを大切にしています。だからこそ、一人ひとりが自分らしく挑戦できる空気が生まれます。就労継続支援B型事業所_Lumo岡山東区店_岡山障害者就労支援株式会社 – -
仕事を“楽しく”設計
ゲーム実況やSNS運用、ものづくり作業など、得意を活かせる多彩なタスクを用意。「やってみたい!」が自然に湧きあがる現場です。 -
数字で見える成長
初月から工賃を可視化し、スタッフ・利用者さん・ご家族が同じゴールを共有。成果が見えるから、次のチャレンジが楽しみになります。
これからブログで発信すること
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利用者さんの成長ストーリー
小さな一歩が未来につながる瞬間をレポートします。 -
Lumo流“黒字化メソッド”
就労継続支援B型でもしっかり収益を上げる仕組みを公開。 -
地域を巻き込むアイデア
見学者の行列を“地域の魅力”に変える取り組みを紹介。
最後に
「みんな違って、みんながいい」そんな社会を、ここ岡山から広げていきたい――これは私の原動力であり、Lumoの未来です。ブログでも、現場で起きるリアルな“ありがとう”をたくさん綴っていきますので、どうぞお楽しみに!