福祉×○○で広がる未来|働く力を社会へ繋げる

2025年、岡山市東区に開所した「Lumo岡山東区店」。

私たちは、「障がい者と社会をつなげる」というミッションのもと、日々真摯に支援の現場と向き合っています。

単なる福祉の提供にとどまらず、障がいのある方々が自分らしく社会の一員として生き、そして働くことを通じて社会と関わり、互いに影響を与え合う未来を実現したいと強く想っています。

開所以来わずか3カ月という短い期間ですが、利用者の方々の変化と成長は私たちの予想を大きく上回るものでした。

中には、すでに一般就労のステップに手が届きそうな方も現れています。

そして、それぞれの方が持つ個性や特性を大切にしながら、その人らしい成長の道筋を見つけていく過程は、私たちスタッフにとっても大きな学びとなっています。

福祉施設という枠組みにとらわれ単なる作業訓練を行うのではなく、「働く」という体験を通して、社会との接点を増やし、障がいのある方々が自信を持って未来に向かえるよう、日々努力の積み重ねです。

今回は、障がい者と社会の接点の現状と、Lumoの取り組みや想いについてまとめていきます。

様々な分野に広がる「福祉 × ○○」

全国では今、「福祉と他分野の融合」が加速しています。

従来の福祉の概念を超えて、デザインや食、建築、アート、製造業など、多様な業界と連携することで、障がい者の新たな活躍の場が生まれています。

就労支援を超えた、社会全体のパラダイムシフトと言えるでしょう。

福祉×飲食業

神奈川県川崎市では、就労継続支援B型事業所の利用者がカフェで就労体験を行っています。

「きれいなカフェで働きたい」という利用者の声から始まったこの取り組み。

接客業だからこそ、お客様から直接感謝されたり、家族に働く姿を見せることができたりと、やりがいに繋がっています。

また、利用者の方々は単なる「支援を受ける人」ではなく、「お客様に価値を提供する人」として認識されています。

お客様からの「ありがとう」の一言が、利用者の方々の自己肯定感を大きく向上させているようです。

(引用:B型事業所利用者 「おいしかったね」励みに 駅前カフェで就労体験|タウンニュース

福祉×建設業

香川県高松市では、建設業と連携して障害者の就労を支援する施設が開所しています。

建設現場で使われるボルトやナットの切断や組み立てなどの単純作業ですが、

これまで職人がしていた作業を利用者が行うことで、建設現場の作業効率が上がるほか人手不足の解消も期待されています。

また、障がい者の方々が建設業界の一翼を担うということは、社会インフラの整備に直接貢献しているということです。

(引用:建設業と連携して障害者の就労を支援する施設が開所 建設現場の人手不足解消も期待|KSB NEWS

福祉×農業

障害のある人が農業分野で活躍することにより、自信や生きがいを育み、社会参加を促すために、国を挙げて推進されている取り組み「農福連携」という言葉があります。

農業における農業従事者の高齢化などの問題と、福祉における障がいを持った人の働く場の確保といった双方の課題解決を促します。

実際「農福連携」を行うことで、障がいに対する理解が広まるとともに、誰もが活躍できる社会につながっています。

農業の人手不足と、障害のある人の就労先不足を解決する「農福連携」。その成果や意義とは?|日本財団

 

その他にも、IT分野では、プログラミングやデータ入力業務での活躍も注目されています。

特に自閉スペクトラム症の方々の中には、プログラミングやデータ分析といった論理的思考に優れた能力を発揮される方もいらっしゃいます。

こうした取り組みから見えてくるのは、従来「支援を受ける側」と見られがちだった障がい者が「社会を支える側」として役割を拡張しつつある、という新しい社会の兆しです。

私たちは、こうした動きに強く共感しています。

「人手不足」は障がい者と向き合う契機

現在、多くの業界で人手不足が深刻化しています。

特に製造業やサービス業などでは、現場の高齢化や担い手の減少が進んでいます。

この状況を、「障がい者と向き合う契機」と捉えることが社会全体にとっても重要です。

人手不足という課題は、実は新たな可能性の扉でもあるのです。

これまで「できない」と思われていた仕事も、適切な環境整備と支援があれば、障がいのある方々が十分に担えることが多くあります。

重要なのは、仕事そのものを変えるのだけではなく、働く環境や方法を工夫することです。

同じ成果を上げるために、異なるアプローチを取ることで、多様な人材が活躍できる職場を創造することができます。

Lumoでの具体的な取り組み

Lumoでは「製造業×福祉」として、作業工程を丁寧に分解し、利用者の方々にご活躍いただいています。

また、それぞれの特性に合わせた環境配慮を行うことで、「できること」を一つずつ積み上げてきました。

例えば、

・作業机の位置や席の指定、製品置き場など、作業場のレイアウトは利用者の希望を優先

・「些細なことでも同じようなことでも何でも質問してくださって構わない」と毎日言葉にして伝える

・毎月1人ずつ面談を実施し、悩みや不安なことを聞き取り、サービス管理者を中心に改善策を思案・実行

・事業所は毎日掃除を行う など

これらの細やかな工夫を積み重ねることで、驚くほどのスピードで成長していく利用者の方も少なくありません。

大切なのは、「本人に合った仕事・環境との出会い」です。

相性さえ合えば自信と能力が一気に開花し、より高い目標に向かって歩き始めるケースも多く見られます。

多様性を尊重し、それぞれの特性に合わせた環境を整えることが、組織の柔軟性や創造力を高めることにつながるでしょう。

まとめ

今回は、障がい者と社会の接点の現状と、Lumoの取り組みや想いについてまとめました。

〇様々な分野に広がる「福祉 × ○○」

・利用者の「きれいなカフェで働きたい」という声から始まった福祉×飲食業

・建設現場で使われるボルトやナットの切断や組み立てなど、職人がしていた作業を利用者が行う福祉×建設業

・農業従事者の高齢化などの問題と、福祉における障がいを持った人の働く場の確保といった双方の課題解決を促す福祉×農業「農福連携」

〇「人手不足」は障がい者と向き合う契機

・多くの業界で深刻化している人手不足問題は、障がい者に働く場を提供できる契機

・Lumoは「製造業×福祉」として、働く環境にも配慮した取り組みを行っている

全国でも多くの素晴らしい実践例が生まれつつある今、私たちもその一翼を担いながら、より多くの障がい者が「生きがい」と「働きがい」を感じられる社会を目指して、これからも一歩一歩、進んでまいります。

私たちが日々実感しているのは、「障がい者には無限の可能性がある」ということです。

その可能性を見出し、信じ、育み、社会とつなげること。それこそが、LUMOの使命です。

私たちは、就労支援という枠を超えて、「生きがい」や「社会との関係性」といった、人生全体を支える視点を大切にしています。

作業だけではなく、コミュニケーションの機会、趣味の共有、地域との交流、季節ごとのイベントなど、心の豊かさも育む支援を大切にし、

その人が「自分らしく生きられる場所」、

そしてその人の「可能性を信じ、育み、社会とつなげる存在」を目指してまいります。

障がいのある方々一人ひとりが輝ける社会、そして互いに支え合い、高め合える共生社会の実現に向けて、LUMO岡山東区店は歩み続けます。