昨年の3月3日から一年。私たち就労継続支援B型Lumo 1周年を迎えることができました。あっという間の様であっという間ではなく、毎日が濃く、覚えていることもあれば、気づけば通り過ぎていたこともあります。
今日は「1周年のご挨拶」っぽい綺麗な話だけじゃなく、現場でじわじわ効いたこと、迷ったこと、そして整え直したことをまとめます。
読んでくださっている方が同業の方でも、利用者さんやご家族でも、「それ、うちでも使えるかも」と思える要素が一つでもあれば嬉しいです。
Contents
1年続けて分かったこと:安心は“積み上げ”より“整え直し”で増えていく

就労継続支援B型の現場って、理想を語るだけでは進みません。日々の小さな判断――声かけの仕方、説明の順番、席の配置、休憩の取り方、作業の区切り――その積み重ねで空気が変わります。
そしてもう一つ、この1年で強く思ったのは、安心は「頑張って積み上げる」よりも、「うまくいっていない部分を整え直す」ことで増える、ということです。
うまくいかない日があるのは当然です。体調、睡眠、気温、音、家庭の状況、前日の出来事。いろんな要素が重なります。
だからこそ僕は、「毎日同じパフォーマンスを出す」より、「調子が悪い日でも事故らない仕組み」を増やしていく方が、現場に合っていると思っています。
開所1年で変わったことTOP5
僕がこの1年で「変わった」と感じたのは、次の5点です。
- 利用者さんが大幅に増加した
- スタッフさんにも恵まれた(やめた方も含めて全員で作り上げてきた1年)
- 事業所レイアウトを試行錯誤した
- 同業種とのつながりができた
- 2店舗目の話が進んでいる
それぞれ、少しだけ裏側も含めて書きますね。
1.利用者さんが大幅に増加した――「選ばれた」より「続けやすかった」
利用者さんが増えたことは、素直にありがたい出来事でした。ただ、ここで言いたいのは「人気だから増えた」という話ではなくて、
僕はむしろ「なぜ通い続けられたんだろう?」を考えたいタイプです。
通所が続く要因って、仕事内容や工賃や立地など、分かりやすいものが注目されがちです。
でも実際は、もっと地味なところ――たとえば今日の流れが見える、困ったら止まれる、サポートがブレない――そういう“続けやすさ”が効いている気がします。
利用者さんが増えると、現場にとっては喜びであると同時に、責任が増えることでもあります。
人数が増えるほど、支援は「気づき」だけでは追いつかなくなる。だから、手順・役割・共有の型が大事になる。
この視点は、1年目の中で何度も痛感しました。
増加の裏側で大事だったこと
- 初回説明で「できる・できない」より「困ったらどうするか」を先に決める
- 作業が止まったときの“ポイント”を用意する(ここまで戻ればOK、の目印)
- 通所のペースを「頑張る前提」にしすぎない(崩れた後に戻れる方が大事)
2.スタッフさんにも恵まれた―「残った人」だけでなく「関わった全員」の1年

この1年、スタッフさんに恵まれました。これは本当にそう思います。
ただ僕が大切にしたいのは、「今いるメンバーだけが正解」という見方をしないことです。
やめた方も含めて、全員で作り上げてきた1年でした。
誰かの一言でルールが整ったり、誰かの気づきでレイアウトが変わったり、誰かの失敗で手順書が増えたり。
現場って、そういう“足跡”の集まりです。だから「辞めた=無かったこと」にはしたくない。
むしろ、関わってくれた時間が、今の土台になっています。
スタッフが増えると、できることは増えます。でも同時に、情報共有が難しくなる。
ここで「気合いで覚える」方向に行くと、たぶん長く持ちません。
だから僕たちは、忘れる前提で、事故らない形に寄せていきたいと思っています。
スタッフの安心が守られると、利用者さんの安心も増える
たとえば、同じ利用者さんに対して説明が人によって違うと、本人は迷います。迷うと不安になります。
だから「スタッフが落ち着いて同じ説明ができる状態」を作ることは、利用者さんの安心にも直結します。
1on1や小さな振り返りの場を作るのも、こういう理由があります。
3.事業所レイアウト――“雰囲気”はセンスじゃなく、実験で作れる

レイアウトは、想像以上に大事でした。開所当初は「とりあえず形にする」ことで精一杯で、最適解なんて分からないままスタートしました。
でもやってみると、机の向き一つで集中度が変わる。動線が少し詰まるだけで、イライラが増える。
音の反響、視線の抜け方、物の置き場所。そういう細部が、安心を作ったり壊したりします。
特に、プラスチックのカットや検査のように「手元の精度」が必要な作業だと、視線・光・置き場所の影響が大きいです。
“人の問題”に見えるつまずきが、実はレイアウトの問題だった、ということも何度かありました。
試行錯誤の中で意識したチェックポイント
- 動線が交差しすぎていないか(ぶつかりそう、急に後ろを通られる、など)
- 道具の定位置が決まっているか(探し物が減る=焦りが減る)
- 休憩できる“逃げ道”があるか(少し離れるだけで戻れる人も多い)
- 視線が集まりすぎない席があるか(見られている感じが苦手な方もいる)
レイアウトは、完成させるものというより「試して、戻して、また試す」もの。うまくいかなかった配置も、失敗じゃなくデータです。
もし今、レイアウトに悩んでいる方がいたら、まずは一箇所だけ動かしてみるのがいいかもしれません。全部を一気に変えると、現場が混乱しやすいので。
4.同業種とのつながり――孤立しないだけで、判断がラクになる

同業の方とのつながりができたことも、この1年の大きな変化です。現場の悩みって、外から見ると些細に見えても、当事者にとっては重いことが多いです。
そんなとき、「それ、うちもあります」「こういうやり方で落ち着きました」と言ってもらえるだけで、判断がラクになります。
正解をもらうというより、「悩んでいいんだ」と思えることが大きい。
もちろん、施設によって条件は違うので、そのまま真似はできません。それでも比較できる材料が増えるだけで、選択肢が増える。
選択肢が増えるほど、現場の安心も増える。僕はそう感じています。
つながりが増えて分かった「注意点」
ひとつだけ付け足すと、つながりが増えるほど情報も増えます。情報が増えるほど、迷いも増えます。
だから僕は、「全部取り入れる」ではなく「今の現場に合う一つだけ試す」くらいがちょうどいいと思っています。
つながりは、焦りの燃料にするより、安心の材料にしたいですよね。
5.2店舗目の話――広げるほど、基本が試される

2店舗目の話が進んでいることも、節目として書いておきたい変化です。うれしい反面、怖さもあります。広げるほど、基本が試されるからです。
人が増え、場所が増え、関係者が増える。すると「なんとなくの空気」では回らなくなります。
だからこそ、1店舗目で培ってきた“地味な基本”――説明の揃え方、役割分担、共有の型、戻れる仕組み――を、どれだけ丁寧に持っていけるかが大事になると思っています。
2店舗目に向けて、今のうちに整えたいこと
- 「誰がやっても同じ説明」になるための手順書(分厚くするより、迷わない形)
- 新人スタッフが安心して動ける導線(最初の1週間で迷わない)
- 利用者さんが不安になった時の“戻り方”の共通ルール
2店舗目はゴールではなく、たぶん「もう一回、整え直すタイミング」です。開所当初のように、また試行錯誤が始まる。その覚悟は、ちゃんと持っておきたいです。
よく聞かれる質問:「1年で一番大変だったのは?」

答えは一つじゃないんですが、いちばんは変化のスピードだったと思います。
大変だった①:増えるほど「同じ説明」が難しくなる
利用者さんが増える、スタッフが増える。これは前向きな変化です。
でも、人数が増えるほど、説明や対応がバラつきやすくなります。
「Aさんにはこう言われたけど、Bさんは違うことを言った」――このズレは、不安の種になります。
だから僕は、マニュアルを分厚くするより、迷うポイントだけを先に揃える方がいいと思っています。
大変だった②:レイアウトもルールも「一度決めたら終わり」じゃない
机の配置、道具の置き方、声かけの順番。どれも一度決めれば完成…ではありませんでした。
季節が変わると体調も変わるし、メンバーが変わると空気も変わる。
だから、決めた後に「合わなくなったら変える」ことを、最初から前提にしておく方がラクです。
変えることはブレではなく、現場を守るための調整だと思っています。
2年目に向けて:増やしたいのは“成果”より“戻れる道”
2年目に向けて、僕たちが一番増やしたいのは「すごい成果」よりも、日々の中での戻れる道です。
うまくいかない日があっても、休んだ日があっても、関係が少しズレても、また戻って来られる。
その方が、長い目で見て安心が続くと思っています。
2年目に向けた小さな目標(3つ)
- 説明の型を揃える:誰が伝えても「同じ安心」になるように
- 試行錯誤を続ける:レイアウトも手順も“実験”をやめない
- つながりを増やす:同業・地域との連携で、孤立しない運営へ
最後に:支えてくれている皆さまへ

利用者のみなさん、ご家族の皆さま、関わってくださった関係機関の皆さま、そしてスタッフの皆さん。
岡山市東区で、この場所が1年続いてきたのは、ひとつの力だけではなく、様々な支えが重なった結果だと思っています。
これからも、「こうあるべき」に縛られすぎず、大事なところは丁寧に。
利用者さんの安心が増える方向へ、また一年、整え直しを続けていきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

はじめまして、サービス管理責任者の本多 楓です
Lumo岡山東区店で働きはじめてわずか半年。
――その間に、利用者さんの「できる」を伸ばしながら黒字化という目標を達成しました。
定員20名なのに見学待ちの行列。
毎週のように「次、空きはありませんか?」とお問い合わせをいただき、嬉しい悲鳴をあげています。
どうして行列ができるの?
- “支え合う”という文化
ここでは「助ける/助けられる」ではなく、みんなが支え合うことを大切にしています。
だからこそ、一人ひとりが自分らしく挑戦できる空気が生まれます。
▶ 就労継続支援B型事業所 Lumo岡山東区店(公式サイト)
- 仕事を“楽しく”設計
ゲーム実況やSNS運用、ものづくり作業など、得意を活かせる多彩なタスクを用意。
「やってみたい!」が自然に湧きあがる現場です。 - 数字で見える成長
初月から工賃を可視化し、スタッフ・利用者さん・ご家族が同じゴールを共有。
成果が見えるから、次のチャレンジが楽しみになります。
これからブログで発信すること
- 利用者さんの成長ストーリー:
小さな一歩が未来につながる瞬間をレポートします。 - Lumo流“黒字化メソッド”:
就労継続支援B型でもしっかり収益を上げる仕組みを公開。 - 地域を巻き込むアイデア:
見学者の行列を“地域の魅力”に変える取り組みを紹介。
最後に
「みんな違って、みんながいい」――
そんな社会を、ここ岡山から広げていきたい。
これは私の原動力であり、Lumoの未来です。
ブログでも、現場で起きるリアルな“ありがとう”をたくさん綴っていきますので、どうぞお楽しみに!