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就労継続支援B型事業所_Lumo岡山東区店
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就労継続支援B型の支援員は「わからない」をどのように解決するのか

就労継続支援の現場では、職業指導員や生活支援員に対して、
「できて当然」「覚えていて当然」「わかっていて当然」という空気が生まれがちです。
でも、本当にそれは現実的な期待なのでしょうか。
人は忘れる生き物だという前提から、支援のあり方をもう一度見つめ直してみたいと思います。

Contents

  • 1 支援者だって「忘れる」――人間なら当たり前のこと
    • 1.1 「忘れることそのもの」は悪ではない
  • 2 「職業指導員だから、できて当然」というプレッシャー
    • 2.1 上司からの「前も言ったよね?」というひと言
    • 2.2 利用者さん・家族からの「プロなんだから」という期待
    • 2.3 言葉にしなくても伝わってしまう「できない人」扱い
  • 3 「わからないから、一緒に確認しに行きます」という関わり
    • 3.1 利用者さんとの会話例
    • 3.2 スタッフ同士の会話例
  • 4 不完全さを大切にすることは、責任放棄ではない
  • 5 忘れる前提でつくる、安心のしくみ
    • 5.1 マニュアルやチェックリストで「頭の外」に出す
    • 5.2 OJTやミーティングで「忘れ方」も共有する
    • 5.3 「聞きやすさ」は最大の安全対策
  • 6 岡山市東区・就労継続支援B型Lumoとして目指したい現場
  • 7 おわりに――あなたの職場ではどうですか?

支援者だって「忘れる」――人間なら当たり前のこと

就労継続支援事業所では、職業指導員や生活支援員が、日々さまざまなことを利用者さんにお伝えしています。
作業の仕方、安全のポイント、声かけのコツ、個別の配慮点……。覚えなければいけないことは、本当にたくさんあります。

しかし、どれだけ一生懸命覚えようとしても、人間は忘れる生き物です。
いったん覚えたつもりでも、別の情報が次々と入ってくるなかで、
「あれ、どうだったっけ?」とわからなくなってしまうことは、誰にでも起こりえます。

それは怠けているからでも、真剣さが足りないからでもなく、
単純に「人間だから」というだけの話です。
それでも現場では、支援者に対して「忘れてはいけない」「間違えてはいけない」という空気が強くなりがちです。

しかも就労継続支援B型のような福祉の現場では、
「人の生活」や「安全」に関わる情報も多いため、
支援者自身も「絶対に忘れてはいけない」「失敗してはいけない」というプレッシャーを、自分にかけてしまいやすくなります。

「忘れることそのもの」は悪ではない

忘れること自体は、脳のしくみとして当たり前のことです。
むしろ、すべての情報を抱え込み続けることは、人間には不可能ですし、メンタルにも負担がかかります。

本当に大事なのは、
「忘れたときにどうするか」「忘れる前提でどんな仕組みをつくるか」です。
にもかかわらず、「忘れたこと」そのものを責めてしまう文化があると、
現場はどんどん息苦しくなっていきます。

「職業指導員だから、できて当然」というプレッシャー

ここで問題にしたいのは、
職業指導員だから、生活支援員だから「できて当然」だと上司や利用者が思い込んでしまうことです。

もちろん、支援のための知識をつけようとする姿勢や、
覚えようと努力する姿勢はとても大切です。
全く勉強しない、振り返らない状態であれば、指摘されても仕方がない場面もあるかもしれません。

それでも、前提として共有したいのは、
「どれだけ頑張っても、人は忘れる」という現実をまず理解してもらう必要があるということです。

上司からの「前も言ったよね?」というひと言

上司の立場からすると、何度も同じことを伝えている感覚になると、ついこんな言葉が出てしまうことがあります。

  • 「それ、この前も説明したよね?」
  • 「なんでまだ覚えていないの?」
  • 「プロなんだから、しっかりしてよ」

言っている側に悪気はない場合も多いと思います。
ですが、言われた側は「忘れた自分=ダメな職員」だと感じてしまい、
次第に「わからない」と言いづらくなっていきます。

その結果、本来であれば確認してから進めたい場面でも、
「怒られたくないから、とりあえずやってしまおう」と、
不安を抱えたまま作業に入ってしまうことも出てきます。
これは支援の質や安全面のリスクにもつながってしまいます。

利用者さん・家族からの「プロなんだから」という期待

利用者さんやご家族からも、こういった言葉が投げかけられることがあります。

  • 「支援員さんなんだから、知ってますよね?」
  • 「ここはプロとしてきちんとしてほしいです」

期待してくださっているからこその言葉である一方で、
支援者を「何でも知っていて当たり前の人」として扱ってしまう危うさも含んでいます。

支援者も、利用者さんも、ご家族も、同じ「人」です。
それぞれに得意不得意があり、疲れる日もあれば、調子がいい日もある。
その当たり前の揺らぎが見えなくなると、誰かが「できて当然」の役割を押し付けられ、
そこにひずみが生まれてしまいます。

言葉にしなくても伝わってしまう「できない人」扱い

一緒に働いているスタッフ同士でも、気づかないうちにこんな雰囲気が生まれていないでしょうか。

  • 「そんなこともわからないの」
  • 「あの人はできないから、任せるのやめよう」

こうした言葉をはっきり口に出していなくても、
表情や態度、ため息などから伝わってしまうことがあります。
それを感じ取った職員は、「もう質問しにくい」「迷っても聞けない」と感じ、
一人で抱え込んでしまいがちです。

その結果、本当は確認した方がいい場面でも、
「多分こうだったはず」と不安なまま対応してしまう。
それは、支援者にとっても利用者さんにとっても、決して良い状態とは言えません。

「わからないから、一緒に確認しに行きます」という関わり

では、支援者はどう振る舞えばよいのでしょうか。
僕は、次のような言葉を大切にしていきたいと考えています。

「わからないから、他のスタッフに確認しに行きます」
「これはわからないですね。一緒にわかる人に確認に行きませんか」
「判断が難しいですね、一緒に確認しましょう」

わからないことはわからない。だから聞きに行く、確認する。
これはスタッフでも利用者でも関係ありません。

一緒に確認しに行くことで、お互いに理解を深めることができますし、
利用者さんからすれば、「置いていかれない」「一緒に考えてくれる」という安心感にもつながります。

利用者さんとの会話例

例えば、ある作業の手順を聞かれたとき、支援者が自信を持てない場合。

悪い例:
「たぶんこうだったと思います。とりあえずやってみましょう」
これは、利用者さんにとっても不安ですし、事故のリスクも高まります。

良い例:
「ごめんなさい、今の説明だと不安なので、もう一度手順を確認してきてもいいですか?」
「一緒に手順書を見ながら確認してみましょうか」
こうした一言は、支援者の不完全さを認めながらも、
利用者さんを巻き込み、一緒に安全をつくろうとする姿勢につながります。

スタッフ同士の会話例

スタッフ同士でも、こんな声かけができると、空気はずいぶん変わります。

  • 「この前教えてもらったんだけど、もう一度教えてもらってもいい?」
  • 「自分も前に忘れちゃったことがあるから、一緒に確認しよう」
  • 「マニュアルに書き足しておこうか。次に困らないようにしようね」

ミスや「わからない」を個人の能力不足として責めるのではなく、
「仕組みやチームで補おう」という発想に切り替えていくことが大切だと思います。

不完全さを大切にすることは、責任放棄ではない

「不完全さを大切にする」と聞くと、
「じゃあ、ミスしてもいいってこと?」「甘えなんじゃない?」と感じる方もいるかもしれません。

僕が大切にしたいのは、「どうせ忘れるからテキトーでいい」という開き直りではないということです。
そうではなく、

  • 人は忘れるという前提で、仕組みや声かけを工夫すること
  • わからないことを一人で抱え込まず、チームで確認・共有すること
  • 完璧さではなく、「一緒に解決しようとする姿勢」を評価すること

この3つを大切にしたい、という意味です。

何でもかんでも完璧にこなせる人は、確かに「頼りになる人」に見えるかもしれません。
しかし、もしミスも迷いもなく、感情の揺れもない存在だったら、
どこか「ロボットみたい」に感じられてしまうかもしれません。

人間らしい揺らぎや、「間(ま)」があるからこそ、
そこに会話が生まれ、支え合いが生まれます。
不完全さを認め合うことは、「だからこそ助け合えるよね」と言える関係をつくることだと思っています。

忘れる前提でつくる、安心のしくみ

人が忘れる生き物だとしたら、「忘れない努力」だけに頼るのは危険です。
大事なのは、忘れても思い出せるしくみを職場として用意しておくことです。

マニュアルやチェックリストで「頭の外」に出す

作業手順や支援のポイントを、マニュアルやチェックリストにまとめておくことは、シンプルですがとても効果的です。

  • 写真付きの作業手順書
  • 危険を防ぐためのチェックリスト
  • 利用者さんごとの配慮点や特性メモ

「全部覚えておかないといけない」ではなく、
「わからなくなったら一緒に見返せる」道具として整えておく。
それだけで、新人さんもベテランも、だいぶ気持ちが楽になります。

OJTやミーティングで「忘れ方」も共有する

研修やOJT、ミーティングの場では、新しい知識を伝えるだけでなく、
「どこが覚えにくかったか」「どの手順でつまずきやすいか」といった、
「忘れやすいポイント」そのものを共有することも大切です。

例えば、
「この作業は、3番目の手順を飛ばしやすいから、チェックポイントをつくろう」
「ここは新人さんが混乱しやすいから、声かけの例文を用意しておこう」
といった形で、失敗しやすいところを前提に仕組みを整えていくイメージです。

「聞きやすさ」は最大の安全対策

どれだけ仕組みを整えても、「聞きづらい」空気があれば機能しません。
逆に言えば、「わからない」「忘れた」と言い合える関係性は、それ自体が大きな安全対策です。

上司やベテランが、

  • 「私もよく忘れるから、一緒に確認しよう」
  • 「わからないことがあったら、いつでも聞いてね」

と言い続けること。
そして、本当に質問されたときに、ため息ではなく感謝を返すこと。
「聞いてくれてありがとう。危ないところだったね」と伝えられるかどうかで、
現場の空気は大きく変わっていくと思います。

岡山市東区・就労継続支援B型Lumoとして目指したい現場

岡山市東区の就労継続支援B型Lumoでも、
「完璧な支援者」を目指すのではなく、「不完全さを前提に支え合えるチーム」を大切にしていきたいと考えています。

例えば、Lumoのなかで意識していきたいこととして、次のようなものがあります。

  • 「わからない」と口に出せる雰囲気づくり
  • 作業手順や支援のポイントを、個人の記憶だけに頼らず共有する工夫
  • 利用者さんにも「一緒に確認しに行きましょう」と提案できる関わり
  • 失敗やヒヤリハットを、個人攻撃ではなく学びとして扱う文化

支援者も利用者さんも、同じ「人」です。

忘れることもあれば、体調が良くない日もある。
だからこそ、互いの不完全さを前提に、寄り添い合える現場でありたいと思っています。

「できて当然」というプレッシャーではなく、
「わからないから一緒に考えよう」という合言葉が、
当たり前に飛び交う就労継続支援B型事業所でありたい――。
それが、Lumoとして大切にしたい姿です。

おわりに――あなたの職場ではどうですか?

最後に、読んでくださっているあなたに、そっと問いかけさせてください。

  • あなたの職場には、「職業指導員なんだから、できて当然」という空気はありませんか?
  • 「そんなこともわからないの?」という言葉が、誰かの口ぐせになっていませんか?
  • 「わからないから一緒に確認しよう」と言える関係は、どれくらい育っているでしょうか?

常識だと思ってきた「支援者は完璧であるべき」という考え方を、少しだけ疑ってみる。
「人は忘れる」という当たり前の前提から、支援のかたちを組み立て直してみる。
その小さな一歩が、職場全体の空気を変えるきっかけになるかもしれません。

僕自身も、決して完璧な支援者ではありません。
だからこそ、間や不完全さを大切にしながら、スタッフのみんなと、利用者さんと、一緒に解決していける現場を目指していきたいと思います。

Lumoサービス管理責任者本多楓
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はじめまして、サービス管理責任者の本多 楓です

Lumo岡山東区店で働きはじめてわずか半年。
――その間に、利用者さんの「できる」を伸ばしながら黒字化という目標を達成しました。

定員20名なのに見学待ちの行列。
毎週のように「次、空きはありませんか?」とお問い合わせをいただき、嬉しい悲鳴をあげています。


どうして行列ができるの?

  1. “支え合う”という文化
    ここでは「助ける/助けられる」ではなく、みんなが支え合うことを大切にしています。
    だからこそ、一人ひとりが自分らしく挑戦できる空気が生まれます。

    ▶ 就労継続支援B型事業所 Lumo岡山東区店(公式サイト)
  2. 仕事を“楽しく”設計
    ゲーム実況やSNS運用、ものづくり作業など、得意を活かせる多彩なタスクを用意。
    「やってみたい!」が自然に湧きあがる現場です。
  3. 数字で見える成長
    初月から工賃を可視化し、スタッフ・利用者さん・ご家族が同じゴールを共有。
    成果が見えるから、次のチャレンジが楽しみになります。

これからブログで発信すること

  • 利用者さんの成長ストーリー:
    小さな一歩が未来につながる瞬間をレポートします。
  • Lumo流“黒字化メソッド”:
    就労継続支援B型でもしっかり収益を上げる仕組みを公開。
  • 地域を巻き込むアイデア:
    見学者の行列を“地域の魅力”に変える取り組みを紹介。

最後に

「みんな違って、みんながいい」――
そんな社会を、ここ岡山から広げていきたい。
これは私の原動力であり、Lumoの未来です。

ブログでも、現場で起きるリアルな“ありがとう”をたくさん綴っていきますので、どうぞお楽しみに!

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