2024年5月に厚生労働省が発表した「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」によると、日本の総人口の約9.3%にあたる1,164.6万人が障害を持つと推計されています。
このデータをもとに、B型事業所の役割と今後の課題について考えていきたいと思います。
障がい者の現状 – 最新データから見る傾向
最新の調査によると、障害者手帳の取得者数は増加傾向にあります。特に、
- 身体障害者手帳所持者:約415.9万人(前回調査より減少)
- 療育手帳所持者:約114.0万人(増加)
- 精神障害者保健福祉手帳所持者:約120.3万人(増加)
また、身体障害者の約73%が65歳以上であることから、高齢化が進んでいることも分かります。
このような社会課題がある中で、私たち企業は何をすべきなのか?そんな問いにかられてします。
B型事業所の役割とは?
そもそもB型事業とは?
就労継続支援B型(以下、B型)は、一般企業で働くことが難しい障害者が、自分のペースで働きながらスキルを習得し、社会参加を目指す福祉サービスです。A型と異なり、B型は雇用契約を結ばず、作業分に応じた工賃が支払われる仕組みとなっています。
なぜB型が重要なのか?
障害者の増加に伴い、すべての人が一般企業での雇用を目指せるわけではありません。B型事業所は、以下のような役割を果たします:
- スキルアップの場: 仕事を通じて、得意なことや可能性を広げる。
- 社会参加の促進: 社会と関わる機会を持ち、自信をつける。
- 自立支援: 工賃を得ることで経済的な自立を少しずつ進める。
これから私たちB型事業所のあるべき姿
① 強みを見出す
障害者一人ひとりが持つ特性や得意なことを明確にすることが重要です。例えば:
- 計算が得意 → データ入力、経理補助
- 手先が器用 → ハンドメイドや部品の組み立て
- 観察力が鋭い → 検査・品質管理業務
この強みを見出すことこそ、すべての始まりである。
人の強みとは、呼吸するように出来ることである。
ゲーム、絵を描く、数字を見る、経営する?、
人には呼吸するように出来ることがある。
これが強みであり、これを見つけることがまずは最初のステップになる。
② 強みに合わせた仕事を探す
B型事業所は、障害者が最大限に強みを発揮できる仕事を提供する必要があります。
ステップ①で見つけた障がい者の強みを活かせる仕事を探しててくる。
これが、B型事業所に次に求められる事である。
管理者やスタッフの人脈を屈して、様々な業界の人と議論を交わし、仕事を見つけてくる。
③ その仕事で強みを発揮し、社会へ送り出す
最終的には、B型事業所で培ったスキルを活かし、社会との接点を増やしていくことが目標。例えば、
- 商品制作 → 自社ブランドとして販売
- データ入力業務 → 企業と業務提携し、継続的な仕事を得る
- デザイン・制作 → SNSを活用し、作品を発信
こうやって、強みを見出し、強みにあった仕事をしてもらう事で、社会とマッチングする事が可能になってくる。
4. 最後に
障害者の増加と就労環境の変化に伴い、B型事業所の役割はますます重要になっています。ただ作業を提供するのではなく、一人ひとりの強みを最大限に活かし、社会とつなげることが大切です。今後も、障害者の可能性を引き出し、新たな価値を創造する場としてB型事業所が進化していくことを期待します。
詳しい調査結果については、こちらのリンクをご覧ください:令和4年生活のしづらさなどに関する調査

この記事を書いたのは?
中小製造業の経営者でしか知りえないリアルな情報を発信
【主な経歴】
リクルート出身。数々の個人賞を受賞し、GMを歴任。
【御津電子での実績】
苦しい工場経営を1年でV字回復。
技術力と人材育成を通じて、日本を代表する企業を目指している。
【岡山障害者就労支援での実績】
『強みを引き出し社会とつなげる』を使命に、2024年12月25日に会社を設立。
工賃シミュレーターなど、画期的な取り組みを行う。
【講演実績】
- おかやまテクノロジー展(OTEX)2022 『仲間と共に歩むV字回復ストーリー』
- 日本金型工業会 『WEBマーケティングの力で新規開拓 ~顧客開拓に成功した事例~』
【取材依頼】
NHKワールド、Googleニュース…etc